たんのうぽりーぷ

胆嚢ポリープ

同義語
胆のうポリープ
最終更新日:
2024年02月21日
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2024/02/21
更新しました
2018/09/14
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概要

胆嚢ポリープとは、胆嚢(たんのう)という袋状の臓器の内側に生じる、できもののように隆起した病変の総称です。

胆嚢とは、肝臓でつくられた胆汁と呼ばれる消化液を濃縮し、ためておくはたらきを持つ臓器です。長さ7~10cm、幅3~10cm程度の西洋梨状の形をした臓器で、50〜60mLもの胆汁をためておくことができるといわれています。

胆嚢ポリープは無症状であることが多く、健康診断人間ドックをきっかけに偶然見つかることも少なくありません。良性のものがほとんどで、長期間放置していても問題ない場合もあります。しかし、中には悪性のものもあるため、ポリープの性質を調べるためにより詳しい検査が必要となることがあります。

種類

胆嚢ポリープには良性のものから悪性のものまで、さまざまな種類があります。主な種類とその特徴は以下です。

コレステロールポリープ

胆汁の成分の1つである“コレステロール”が固まって生じる良性のポリープです。胆嚢ポリープの90%ほどを占めるとされています。

複数生じることが多く、ほとんどは数mm程度の小さなものですが、まれに1cmを超えるようなポリープもみられます。

過形成ポリープ

胆嚢内の粘膜表面にある“上皮”と呼ばれる細胞が過剰に増殖することによって生じる良性のポリープです。

炎症性ポリープ

慢性胆嚢炎などの病気で粘膜細胞が増殖することによって起こる良性のポリープです。

腺腫性ポリープ

ほとんどが良性のポリープですが、時に胆嚢がんの発生源になることがあります。

胆嚢がん

胆嚢内の粘膜に生じるがん悪性腫瘍(あくせいしゅよう))です。ポリープの段階で見つかった場合には比較的早期のがんである傾向があり、治療によって根治が期待できることもあります。

原因

胆嚢ポリープの原因はその種類によって異なります。もっとも頻度の高いコレステロールポリープの場合、胆汁内のコレステロールが胆嚢の粘膜に付着することによって生じると考えられており、食の欧米化が進む昨今では増加傾向にあるといわれています。

そのほか、炎症性ポリープのように慢性胆嚢炎などの病気が原因となって発生する胆嚢ポリープもあります。

症状

胆嚢ポリープそのものは一般的に自覚症状がなく、健康診断人間ドックで行われる超音波検査などをきっかけに見つかることがほとんどです。そのほか、胆石症や胆嚢炎など胆嚢の別の病気で行った検査により偶然発見されることもあります。

検査・診断

胆嚢ポリープが疑われる場合、血液検査のほか、さまざまな画像検査が検討されます。

血液検査

肝機能や胆嚢に関わる酵素の異常などがないか、特定のがんに反応して上昇する数値(腫瘍マーカー)が上がっていないかなどを確認します。血液検査はあくまで補助的な検査で、確定診断は画像診断にて行います。

主な画像検査

腹部超音波検査

体の外側から超音波を当てて、胆嚢内の状態を確認します。負担が小さい検査のため、胆嚢ポリープの検査では広く行われています。

超音波内視鏡検査

胃カメラの先端に特殊な超音波検査機器がついた内視鏡を使って、消化管の内側から胆嚢の状態を確認します。体の外側から見る腹部超音波検査と比較するとより近距離で病変を観察できるため、ポリープの形状や大きさなども確認できます。

造影CT検査

画像診断の際に臓器の様子を分かりやすくする造影剤を注射したうえでCT撮影を行います。ポリープの形状や大きさなどが詳しく確認できることに加え、周囲の血管の様子や万一胆嚢がんであった場合にリンパ節に転移がないかどうかを確認します。

内視鏡的逆行性胆管膵管造影検査

内視鏡を十二指腸まで挿入し、そこから細い管を出して、胆管、胆嚢へと進めて行う検査です。実際の胆嚢の細胞を採取できるため、腫瘍が良性か悪性かを判断するために役立つこともあります。しかし、検査に伴う急性膵炎が懸念されるため、検査の必要性に関しては主治医の先生とよく相談することが大切です。

治療

胆嚢ポリープの主な治療方法は手術治療ですが、全ての患者に手術治療が必要となるわけではありません。

手術治療が必要となるのは以下などの方です。

  • ポリープの大きさが1cm以上ある場合
  • 経過観察の過程でポリープが大きくなっている場合
  • ポリープの茎が広い場合(広基性病変)
  • 検査の結果、悪性であることが疑わしい場合(胆嚢がん

手術治療

手術が必要と判断された胆嚢ポリープでは“胆嚢摘出術”を検討します。胆嚢摘出術にはお腹を切開して行う“開腹胆嚢摘出術”と、お腹に小さな穴を開けて内部を腹腔鏡(ふくくうきょう)で見ながら行う“腹腔鏡下胆嚢摘出術”があります。

良性で胆嚢がんの確率が低い場合には、より体に負担のかかりにくい腹腔鏡下胆嚢摘出術を検討することが一般的です。悪性である可能性が高い場合は、開腹胆嚢摘出術を検討します。

なお、手術で摘出した胆嚢は顕微鏡で詳しく観察する“病理検査”が行われ、その結果に応じて今後の治療方針などが決定されます。

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